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介護保険制度を使って【体験談】

2023年3月12日

介護保険制度の実際の体験談

前回の記事で公的保障について紹介しました。

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介護保険は本当に複雑です。
ですが、今の日本の少子高齢化とともに人生100年時代という事で定年後も70歳まで働くという風潮もあり、今後皆さんも絶対に知っておかなければいけない制度です。

介護保険制度を使うという事は他の公的保障や市役所にいっての手続き等たくさん行う事があります。
長くなりますがこの記事が少しでも皆さんの知識になると幸いです。

こんな方にオススメ

・介護保険の仕組みを全く知らない方
・両親が健在だが今後、加齢により介護制度を知っておきたい方

体験談を記載したので読みづらいかもしれません。

下の目次から実際の体験で学んだ事だけでもご覧いただけたら幸いです。今回で学んだことについて解説しています。

実際の体験談

倒れて入院まで

私の父親は昨年、脳梗塞で倒れて救急車で病院に運ばれました。
父親の年齢は66歳でしたがとても元気で65歳から年金を受給し、70歳まで働くといって1度定年した会社に勤めていました。
倒れてしまったのは休日です。気付いた時には意識もなく、すぐに救急車をよんで病院に運ばれました。
コロナが流行していた事もあり、入院後は全く面会もできず病院からの電話では「左側の脳梗塞で右半身麻痺」という事しかわかりませんでした。
入院して1ヶ月後、リハビリ専門の病院に転院するので家族の付き添いが必要との連絡が。父が倒れてから1度も会えていませんでしたがリハビリという事はある程度動けるのかと家族全員少しの希望が湧きました。

転院、そして突きつけられる現実

そして転院当日、父はたった1ヶ月で物凄いやつれた状態でベッドで運ばれてきました。私たちを見ても無反応で声をかけても反応がありません。介護タクシーに同乗し、転院先の病院へ行きました。
転院先で手続きを済ませ担当医師からの説明で愕然としたのを今でも覚えています。
「ご家族にとっては申し訳ないけど右半身は絶対にもう動かない、言葉も喋れないし、食事もずっと経鼻経管栄養といって鼻からの栄養しかとれないから。ここでリハビリをしても自分で車椅子に乗れればいいねというレベルにしかなりません。」
この言葉を聞いて倒れた時はまだ若いし、大した事がなくてまた家に戻ってくるんだと思ってました。しかし、これではとても家では父親を迎える事はできないと思いました。
続いて医師に「障害者は1級、要介護は3か4でしょう。すぐに市役所に申請をしてください。働いていたという事で自己負担は2割、最悪3割です。そして当院のリハビリにも限度があります。この病院にずっといれる訳ではないので最長期間は2ヶ月なのでそれまでに自宅か介護施設どちらにするか施設なら施設も決めてください。」と言われました。今まで介護とは無関係に過ごしてきた私にとっては「障害者は聞いた事あるけど要介護?自己負担?とても自宅で見れる状態じゃないけど施設はいくらなの?」
何に手をつければいいのか全く分かりません。母親もどうしていいか分からない状態なので自分の仕事以外の時間に様々な事を必死で調べました。

保障を受ける

まず最初の病院での医療費用、差額ベッド代、父親の職場への連絡、父が加入していた保険、父親の資産、母も車を所有しているので父の車と自動車保険、今後の施設をどうするか。
調べる事はたくさんありました。この時に学んだことを記載します。

最初の病院で多額の医療費用がかかりました。父親は医療保険に加入していたので保険金と公的保障の高額療養費制度を請求しました。しかし、医療保健も高額療養費制度も書類の手続き等ですぐには支給されません。貯金を取り崩し支払いました。
お金の管理は母親がしていたので特に父親の財産はなく、スマホはすぐに解約し、父親の車の売却をしに行きました。その際に車屋さんに言われたのですが万が一、父親が亡くなった場合等はすぐには財産の為、売却できないそうです。
車の保険は名義を変更し中断証明書を発行しました。
父親の勤務先へも事情の説明をしに伺い有給取得の処置をしていただきました。この際に会社からは何も教えてもらえなかったのですが、公的保障の傷病手当金の給付を受け取れるので会社に確認すると書類を用意してもらえれば手続きしますよとの事。これも自分から言わないと会社からは教えてもらえません。
公的保障の高額療養費制度と傷病手当金ですが受給するのに病院の証明書が必要です。病院の規模にもよるのでしょうが、手続きをしてから時間を要します。医療保険:高額療養費制度:傷害手当金の為に3枚証明書を用意します。そして、それぞれの手続きの書類を記入し病院の証明書と共に提出と手間がかかります。

介護度認定と施設を探すことの難しさ

市役所への申請
障害者手帳の申請、要介護判断の申請をしに行きます。要介護の区分によって自己負担額が違います。

そして1番苦労したのが介護施設を探す事です。介護施設にも色んな種類があります。特に介護度が高い人が入居可能な当別養護老人ホームは人気があり、入居者がどこも何百人待ちという状況です。
病院から指定された期限は2ヶ月
要介護判断の申請をすると市役所の担当者が病院と私達家族と日程を調整し面談をします。面談が終わってから要介護度認定がされます。この要介護のクラスが分からないと施設に入居の申し込みができないのです。
市役所への申請、面談、認定まで1ヶ月を要しました。介護度は4判定、それから施設を探すのですが父の状態だと入居できる施設が限定され施設探しはとても難航しました。

施設に申し込むと今度は施設の担当者が病院に父親が実際に施設に入居可能か確認しに行きます。この状況を確認しにいった時に2件の施設に断られてしまい、タイムリミットの2ヶ月に迫り病院にも早く決めてくださいと催促されます。基本的に施設を探すのは自分たちで探すしかありません。父の介護度で入居可能か、予算(施設の毎月の費用、自己負担額)で毎月支払えるかと簡単に施設も見つかりません。結局施設が決まらず病院には2週間だけ延長してもらって少し遠い所の施設が決まりました。

今もコロナの関係で施設も面会制限がありますが、たまに父親に会いに行っています。
父親も転院時は全く感情がありませんでしたが転院先の病院でリハビリをしだしてからは感情があるようで喋る事はできませんが、今は感情はあります。
仕事も退職の手続きをし、社会保険から国民保険へ変更の手続きをしてきました。

今回父親が倒れてしまい、施設に入居するまでの間にたくさんの事を学びました。

父が倒れてから実際の体験で学んだ事

介護保険は何に使われるのか?

私たちは40歳になった月から介護保険料を払います。皆さんが自衛官を定年してからも支払います。介護保険料の金額は少子高齢化の影響で徐々にあがっています。今後も保険料は増加するので確認をしましょう。
介護が必要な人に対して私達が病院に社会保険のお陰で3割負担で済んでいるように介護保険も介護サービスを1~3割負担で受けれます。
この1~3割は昨年度の介護を受ける人の年収で決まります。

年金の繰り下げ受給も考え物

今の日本の政策として60歳を過ぎても働く事を推進してます。年金も70歳まで受給を待てば支給額の増額をします。
しかし、本当に70歳まで繰り下げていいのか父親を見て思いました。父親の様に66歳で倒れてしまうなら60歳から受給し、少しでも贅沢して欲しかったと思います。

公的保障を理解している事の重要性

高額療養費制度と傷病手当金を今回受給しました。高額療養費制度は病院でも教えてくれますし、割とポピュラーな制度ですが傷病手当金は自分で会社に申請しないと誰も教えてくれないので受給できません。給料の3分の2でも受給できるのは助かります。
医療保険も父親が加入していたお陰で助かりました。
しかし高額療養費制度:傷病手当金:医療保険はすぐ受給される訳ではありません。病院からの証明書を発行してもらってそれぞれに申請してからなので貯金がないと大変です。

障害者:要介護の申請

障害者手帳と要介護の申請は市役所に家族がしに行きます。顔写真が必要になりますが父親のケースの場合、写真なんか撮れません。たまたま残ってた証明写真を持って行きました。要介護認定も病院:市役所の担当者:家族が揃う日に合わせて実施されます。
要介護があがるにつれ介護保険の費用はあがります。最近ではできるだけ要介護の査定が厳しいとの噂もありましたが父親は病院で言われた通り4でした。

要介護度認定とは?

介護の度合いを客観的に判断し、数値化したものです。日常生活に支障のない要支援と介護サービス必須の要介護の2種類があり、それぞれ段階の数値があります。その数値で介護保険の限度額及び自己負担金額が変わります。私の父親は要介護4です。

要支援要介護
基本的には1人で生活可能
部分的な介護が必要
利用できるのは介護予防サービス
分類は要支援1~2
運動機能、思考力、理解力の低下
日常生活に支障が生じ介護必須の状態
利用できるのは介護サービス
分類は要介護1~5
特別養護老人ホームとは?

入居可能の条件が原則要介護3~5で法律でも定義されている公的施設ですので倒産リスクも低く費用も比較的安いです。しかし、その分人気もあり数百人単位が申し込み待機中で入居できない状態です。

身体障害者手帳とは?

身体障害者手帳は1~7級に分類され1級に近づくほど障害が重いです。
手帳を取得することにより税金の控除等の福祉サービスが受けられます。私の父親は1級です。

国民健康保険とは?

働いている人は基本的に社会保険に加入し保険料を支払い各種手当の保障があります。
国民健康保険は社会保険に加入している方、生活保護を受けている方以外は全員加入しなければなりません。父親も倒れてしまってから会社を退職する事になったので家族が市役所に行き手続きをしました。

施設の利用料金は?

施設の種類でも違いますが私が探した所では9~20万円、これに介護保険サービスの自己負担金額が加算されます。私の父親が加入した施設は入居費用で100万円、毎月約14万円の施設費用+介護保険サービスが約6万で毎月約20万円の支払いです。

自衛官の傷害保険の介護オプションは加入すべき?

本人の両親、配偶者の両親まで加入できますが4人分加入したとして60歳以下なら対した金額ではないですが加齢とともに保険料はとても高くなります。万が一介護が必要になった場合のために私は貯金をしておいた方が保険に加入するよりいいと思います。

まとめ

父親が倒れてしまって手続きに追われてなんて自分は無知だったんだろうと思うことが多々ありました。介護に関しては関係ないと思っていた事もあります。

ポイント

・両親が若いから関係ないと思わず介護の事を覚えていて損はなし
・両親や曾祖母が健康でも万が一の事を考えておく。
 財産の事は話しづらくても両親の保険の加入状況は聞いておくべきです。

介護保険制度の仕組みと自衛官の介護支援制度を詳しく知りたい方はこちら

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